やる気がないときこそ勉強(仕事)をしよう
「毎日毎日、同じ仕事の繰り返し。全然やる気が出ないんだよね」
「塾長、なんだか最近やる気が出なくって…」
「勉強はしなきゃいけないのはわかっている。でもやる気が出ない」
塾講師として教壇に立っていると、「やる気」にまつわる話題は事欠きません。
特に入試に向き合わなければならない受験生は、このやる気ひとつがとっても大事。
「やる気を出すにはどうしたらいいですか?」という相談は何度となく受けてきました。
十年以上の講師キャリアを経て、この「やる気」について得た結論、それは…
「やる気がないときこそ勉強(仕事)をしろ」ということ。
矛盾しているように聞こえるかもしれませんね。
でも、これは真理です。
やる気が出ない、むしろ気持ちが沈んでいる。
そんなときこそ黙って勉強(仕事)をするべきなのです。
するとどうでしょう。
あれほど気に病んでいた「やる気が出ない」という悩みはいつの間にか消えて、ただ淡々と勉強(仕事)に打ち込む自分がそこにいるはずです。
「やる気が出ないから勉強(仕事)が手につかない」のではない。
「勉強(仕事)をすることでやる気は自然と出てくる」のです。
やる気を出すための環境づくりをしておこう
この記事を読んでいる親御さん、お子さんが「やる気が出ない」と言ったときは、やる気を出すために励ますのではなく、ただ粛々と勉強ができる環境を用意してあげてください。
そうすれば子供は勝手に勉強を始め、気づけば「やる気が出ない」なんて言わなくなります。
その環境はご家庭でもいいし、通っている塾の自習室でもいいでしょう。
とにかく有無を言わさず勉強をせざるを得ない環境さえ作ってしまえば、やる気は後からついてきます。
学校や学習塾の授業冒頭5分~10分で、音読や計算問題に取り組ませる、なんてスタイルの授業がありますね。
これはまさに「やる気」が勝手に出てくるように仕向けた授業設計の一つです。
ただのウォーミングアップではなく、その授業におけるモチベーション管理の意味もあるわけですね。
ウォーミングアップと言えば、運動競技においても同じことが言えますね。
試合前に体を動かすことで、ケガの予防だけでなく、勝利へのモチベーションを高めていく効果もあります。
私はよく「やる気が出ない」と相談されたときは、「とにかく黙って10分だけ机に向かって手を動かしなさい、音読をしなさい」とアドバイスしていました。
つまるところ「やる気」なんて一過性のものですから、いちいち真剣に向き合っているほうが時間が勿体ないのです。
そんな時間があったら、さっさと体を動かして「勉強モード」を作ってあげたほうがよっぽど効率的です。
ビジネスの世界でも同じです。
部下のモチベーションを高めたかったら、飲み会に誘って気持ちを盛り上げようなんて愚策です。
部下に「やりがいのある仕事」を任せ、それに没頭できる環境を用意してあげてください。
そうすれば当人は「やる気」がどうこうで悩んでいる暇なんてありませんから、目の前の仕事に集中して高いパフォーマンスを発揮するはずです。
子供に勉強を教えることは、部下や後輩に仕事を教えることに通じます。
それはノウハウやスキルだけでなく、マインドについても共通することが多いと感じます。